目立たない入れ歯の種類とメリット・デメリット｜荒川区宮の前、小台の歯医者

虫歯や歯周病などで歯を失った際、選択肢の一つに入れ歯があります。しかし、通常の入れ歯は金属のバネが目立つため、できれば入れたくないという方もいるでしょう。目立たない入れ歯には、ノンクラスプデンチャーと磁性アタッチメント義歯があります。本記事ではノンクラスプデンチャーと磁性アタッチメント義歯の特徴とメリット・デメリットについて解説します。

ノンクラスプデンチャーと磁性アタッチメント義歯

目立たない入れ歯には、ノンクラスプデンチャーと磁性アタッチメント義歯があります。

ノンクラスプデンチャーは、クラスプ（金属のバネ）を使用しない部分入れ歯です。通常の部分入れ歯は金属のバネがついており、口を開けたときに見えてしまうため笑ったときや会話中に目立つことがあります。

ノンクラスプデンチャーは、金属のバネの部分に歯ぐきの色に似た樹脂を使用しているため、見た目が自然で目立ちにくいです。周囲の人に入れ歯だと気づかれることがほとんどないため、審美性を重視する方に選ばれています。また、歯ぐきにフィットしやすい弾力のあるやわらかい素材でできており、違和感が少ないのも特徴です。

一方、磁性アタッチメント義歯は、残っている歯と入れ歯に小さな磁石とそれに対応する金属をつけることで、安定した装着が可能となる入れ歯です。磁石は入れ歯側に、対応する金属（キーパー）は残っている歯に設置します。

磁石の力を利用して固定するため、歯への負担がかかりにくく、入れ歯がずれることはありません。磁性アタッチメント義歯は歯の根っこが残っている場合に適応し、部分入れ歯だけでなく総入れ歯にも対応可能です。

ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリット

• メリット

ノンクラスプデンチャーの最大のメリットは、金属のバネを使用しないため目立ちにくい点です。それに加えて金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。

また、通常の入れ歯は、金属のバネを残った歯に引っ掛けることで入れ歯を固定するため、バネが固く締め付けてあると歯に大きな負担がかかることがあります。ノンクラスプデンチャーは、「床（しょう）」と呼ばれる歯の土台部分で歯ぐきを包み込み固定するため、締め付けられる感覚も少なく、快適に使用できます。

• デメリット

ノンクラスプデンチャーの寿命は2～3年程度です。特殊な素材で作られているため、修理が困難で定期的に作り直しが必要になります。また、保険適用外になるため費用は高額になりがちです。そのため、長期的に見るとノンクラスプデンチャーの維持は、高コストになることがあります。

適応症例が限定されており、すべての方がノンクラスプデンチャーを作製できるというわけではありません。2～3本の少数の歯を失っている方、通常の部分入れ歯による金属のバネが気になる方、フィット感の良い入れ歯を入れたい方に向いています。

ノンクラスプデンチャーは、さまざまなメーカーから提供されており、それぞれ特徴が異なります。どの入れ歯を扱っているのか歯科医院で事前にしっかりと確認して、自分に合ったものを選択しましょう。

磁性アタッチメント義歯のメリット・デメリット

• メリット

磁性アタッチメント義歯の最大のメリットは、小さくても強力な磁石の使用により維持力があり、安定した使用感が得られることです。磁石とキーパーの間隔を変えることで維持力の調整ができます。また、審美性に優れており、金具が見えることはほとんどありません。シンプルな構造であるため着脱がスムーズに行え、お手入れも簡単です。磁性アタッチメント義歯は、入れ歯の安定を求めている方に適しています。

• デメリット

デメリットは、キーパーを装着した歯の清掃が難しく、虫歯や歯周病になりやすいことが挙げられます。また、入れ歯側に磁石を入れるためのスペースが必要になるため、床が薄くなり入れ歯が破損する可能性があります。

磁性アタッチメント義歯は、神経を取った歯にしか用いられないため、使用できる患者様は限られているのがデメリットです。

磁性アタッチメント義歯は、MRI撮影を行う際に注意が必要です。ご自身の歯に埋め込まれているキーパーは磁石ではないため、問題はありません。しかし、緩んでいると磁力によって脱離する可能性があるため、しっかりと装着されているか確認しましょう。

また、入れ歯側には磁石が含まれているため、MRIの強力な磁場によって入れ歯が破損したり、撮影に影響を及ぼしたりする可能性があります。そのため、撮影前には必ず入れ歯を外し、担当医に磁性アタッチメント義歯を使用していることを伝えてください。

まとめ

目立たない入れ歯には、ノンクラスプデンチャーと磁性アタッチメント義歯があります。前者は金属のバネを使用しないため目立ちにくく、薄くて弾力のある素材でできていることから快適に使用できます。一方、磁性アタッチメント義歯は、磁石の力を利用するため安定した使用感が得られるのが魅力です。どちらもメリット・デメリットがあるため、入れ歯を選択する際はそれぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選択することが大切です。